食卓の知恵

イチゴの表面にある「粒々」は実じゃない!?驚きの正体と美味しい見分け方

イチゴの粒々の正体は「実」だった!

皆さんは、イチゴの表面にあるあの小さな粒々を「種」だと思っていませんか?実は、植物学的に見るとあの粒々こそがイチゴの「果実」なのです。これを「痩果(そうか)」と呼びます。

私たちが普段「種」と呼んでいるあの小さな一粒ひとつぶの中に、実は本当の種が入っています。つまり、1パックのイチゴを食べているつもりでも、実は数百個もの小さな果実を一度に食べていることになるのです。この事実を知るだけで、いつものイチゴが少し違って見えてきませんか?まずはこの「逆転の事実」を、周りの人に教えてあげたくなるはずです。

では、赤い部分は一体何なのか?

粒々が「実」であるならば、私たちが美味しく食べているあの甘くて赤い部分は一体何なのでしょうか。その正体は、花の下の方にある茎が膨らんだ「花托(かたく)」または「花床(かしょう)」と呼ばれる部分です。

通常の果物(リンゴやモモなど)は、受粉した後に「子房(しぼう)」が膨らんで果実になります。しかしイチゴの場合、子房はあの粒々のまま大きくならず、それを受け止めている土台(花托)の方が、実を守り、栄養を蓄えるために大きく赤く成長するのです。そのため、イチゴは厳密には「果実」ではなく「偽果(ぎか)」という分類に属します。

なぜそんな不思議な構造になっているのか?

なぜイチゴは、わざわざ土台を膨らませるという変わった進化を遂げたのでしょうか。最大の理由は「種を遠くへ運んでもらうため」です。

イチゴの本当の実(粒々)は非常に小さく、そのままでは動物に見つけてもらえません。そこで、土台である花托を甘く、赤く、魅力的に大きくすることで、鳥や哺乳類を惹きつけます。動物に丸ごと食べてもらうことで、消化されない小さな粒(種)が排泄物とともに遠くの土地へ運ばれ、そこで芽吹くことができるのです。

また、あの赤い部分には水分と糖分がたっぷり蓄えられており、乾燥から種を守る役割も果たしています。イチゴのあの可愛らしい姿は、子孫を残すための緻密な戦略の結晶なのです。

知って得する!美味しいイチゴの見分け方

構造がわかったところで、次は「最高の一粒」を選ぶためのポイントを解説します。花托(赤い部分)が肥大化したものだからこそ、チェックすべき点は「粒々」と「ヘタ」にあります。

粒々の状態
表面の粒々がくっきりと浮き出し、赤くなっているものを選びましょう。粒が立っているのは、中身がパンパンに詰まっている証拠です。
ヘタの形
ヘタがピンと反り返り、濃い緑色のものが新鮮です。
形の美しさ
実は、形が少し不恰好で横に広がっているものの方が、甘みが強いことが多いです。
色と光沢
全体がムラなく赤く、ツヤがあるのは当然ですが、ヘタの根元まで真っ赤なものが完熟のサインです。

まだある!イチゴにまつわる意外な雑学

最後に、明日話したくなるイチゴの小ネタをいくつかご紹介します。

まず、イチゴは農林水産省の分類では「果物」ではなく「野菜(果実的野菜)」に分類されます。木になるものではなく、苗から育つ草本類だからです。
また、イチゴのビタミンC含有量は非常に高く、5〜6粒食べるだけで1日に必要な摂取量をほぼ満たせると言われています。レモンよりも手軽に補給できる優秀な栄養源なのです。
さらに、イチゴの香りは「フラネオール」という成分で、リラックス効果があることも分かっています。味だけでなく、香りも存分に楽しんでみてくださいね。

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